現実世界における好感度メータの実現に向けて(後編)

Table of Contents

1 提案手法 その2

前編では平常時と性的興奮状態の脈拍データを用いて性欲,延いては好感度を測定しようと実験を行いました. しかし性的興奮状態の脈拍データを正確かつ大量に収集することは困難であり,また性的興奮状態の性差などを考慮するとこの手法は厳しいのではないかという結論に至りました.

そこで今回は異なるアプローチとして会話等を行っている際の自分と相手の脈拍の関係を元に互いの好感度を推定できないかと考えました. これは気が合いうまくコミュニケーションが取れているときに互いの脈拍に相関性が見られるのではないかという仮説1に基づきます.

2 実験

この実験のために被験者としてナンパし慣れていそう(ド偏見)な陽っぽいご学友とまだなにも知らない新入生女子を集めました. 集まってもらった被験者をこちらでランダムにマッチングし脈拍センサを付けた状態で個室で1対1で会話を行ってもらいました.

結果として全10組の実験のうち会話が上手く行った(連絡先の交換に成功した)組では2人の脈拍の類似度が0.1252,うまく行かなかった組では脈拍の類似度が0.0547と2倍以上の差が見られました.

3 まとめ

ここまで好感度メータの実現に向けた取り組みを紹介してきましたが, 時間や予算的都合もありかなり条件がガバくサンプル数も限られた実験しかできていません.

個人的にはこの内容は今後も発展させていきたいと考えています.興味のある方がいらっしゃいましたらご連絡2ください.

本研究に関する報告書はこちらからご覧いただけます.

Footnotes:

1

この仮説を裏付けるものとして性行為中の男女の脈拍に強い相関性が見られるという先行研究(R.G. Bartlett JR. "Physiologic Responses During Coitus", JOURNAL OF APPLIED PHYSIOLOGY Vol. 9, pp. 469{472, 1956 Nov.)があります.

2

連絡先としてトップページにTwitter ID等を載せています.

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