鋳造による金属パーツの作成
1 概要
3Dプリンタの普及により複雑な立体形状のパーツが容易に用意(激ウマギャグ)できるようになりました. しかしながら一般的な3Dプリンタでは樹脂素材しか扱うことができず創作の幅に制限があります. 近年では金属製のパーツを出力できる金属3Dプリンタなども登場していますがこれははまだ一般家庭で扱えるようなものではありません.
そこで今回は一般家庭にある3Dプリンタや加工機を活用して金属製パーツの製作を行う手法について検証しました.
2 原型の作成
とりあえず作成したい部品を設計します. 今回は全方位カメラに用いられる双曲面ミラーを作ることにしました.
設計できたら何らかの形で現実世界に出力します. 3Dプリンタで印刷するのが楽かなと思いますがわが家には2Dプリンタしか無いのでMCナイロンの塊から削り出すことにしました. ということでCAMで荒加工,仕上げ加工のツールパスを出してさくっと加工します.
できあがった部品がこちら. ここで出力した部品が鋳造を行う際のマスターとなるので表面はなるべく綺麗に仕上げた方が良いでしょう.
3 鋳型の作成
マスターモデルができたら石膏で型を取ります. 今回はマスターのまわりに切った牛乳パックで枠を作って直接石膏を流し入れました.
石膏を流し込み待つこと数時間,できあがった鋳型がこちらになります. まだ型の中に水分が残っており水蒸気爆発の危険性があるので数日間放置してよく乾かしましょう.
4 鋳込み
十分型が乾いたらいよいよ鋳込んでいきます. 今回は6種ホワイトメタルという鉛ベースの比較的低融点な合金を用いています. ホワイトメタルであれば鍋(非食用)に入れて普通のガスコンロに掛けるだけで十分融かせます.
鋳込み終わったら十分冷し,型から外したものがこちら.
この段階ではまだ表面が汚ないですが軽く磨いてやるとそれなりに綺麗になります.
5 まとめ
ということで3D CADによる設計データを元に加工が容易な樹脂でマスターを作成し,そこから鋳造によって金属製のパーツを作成することができました.
この内容はYouTubeでも公開しています. 詳しい作業の様子はこちらからご覧ください.